CMソング制作を行っている会社さんは多数あります。
個人で作曲をしているクリエイターさんも数多くいますよね。
その中で「どこにCMソング制作を依頼しよう・・・・」と悩んでしまう思います。
そこで今回は【制作を依頼する際の判断基準】の6つの視点について解説してみました。
作曲する側の視点ですが、ここはきちんと把握した上で依頼をした方が間違いが少ないなという、コツのようなものです。
ご依頼の際の参考にしていただければ嬉しいです。
①TVCMのサンプル音楽をきちんと載せているかどうか
【音楽が作れる=CMソングが作れる】では無いと経験上、強く感じています。
理由は《TVCMの決められた秒数内に納める技術があるかが重要だから》です。
TVCMソングといいつつ、前奏もあって20秒超えているサンプル音楽を見かけました。
確実に放送できない長さです。
尺が長ければ長いほど歌詞として言いたい量も増やせますし音楽の展開も派手にできます。
でもそれは実際には採用できない・放送できないものです。
メロディにするとナレーションで伝えるよりも必然的に少ない文字量になります。
早口で歌えばいいでしょ?と思うかもですが音楽として破綻してしまいます。
だからこそCMソングは難しい。
秒数の中できちんと音楽を表現できているか、広告音楽として成立しているか。
1回でメロディ・歌詞を覚えてもらえるか。
知らず知らずのうちに口ずさんでいる音楽になっているか。
こうした視点もCMソング制作には必須な作曲スキルだと考えます。
音楽が作れる=CMソングが作れるでは無い。
だからこそきちんとTVCMとしてのサンプル音楽を乗せているかどうかを判断。
依頼する際には非常に大切な部分となります。
これが長年作ってきたからこそ感じる点であり知っていただきたい点でもあります。
②前後0.5秒空けることを知っているかどうか
テレビの場合に限りますが、映像の頭とおしりに音声は0.5秒空けるルールがあります。
これは必須事項で守られないとテレビ局に入稿できません。
15秒CMは14秒、30秒CMは29秒が実際に使える音の長さということです。
ここをきちんと把握してCMソングを作れるかも大事な基準と言えます。
15秒CMだからと15秒ぴったりに作ってもダメです。
1秒削ればいいでしょ?と単純でもなく、たった1秒を削ったり早回しするだけでも印象がガラッと変わる世界です。
前後0.5秒あけることは当然のことだから明記していない可能性もありますが、しっかりと理解してます!と記載している方が信頼できると考えています。
③予算に合わせられるかどうか
音楽をはじめクリエイティブなものは本当に難しいものです。
極端に言ってしまえばわざと間違えた仕様にして、修正費を加算させることだってできます。
さすがにそこまで疑うともはや何もできませんが、極端に修正費や変換費など料金が発生するポイントがあるのは不安が残るでしょう。
過去に当初の予算よりも最終的に制作費が膨らんでしまった経験を持つ広告代理店様からのお話も聞きました。
僕だったらそのくらい全然サービスで対応できる内容じゃん!と考えるものまで料金がかかってしまったようです。
もちろんその料金スタイルを否定をしている訳ではありません。
そこは自由ですから。
ただ、音楽という《作ってみないとわからないもの》には修正は当然起こることです。
チェックしながら進行していたのに完全に作り直し、というケースはさすがに別料金が発生しますが、ある程度のサービス精神も僕は必要だと考えています。
予算感がつかみやすい、料金設定がわかりやすいかどうかも一つの基準と言えそうです。
④スピードはどうか
長く時間をかければいいものができる、という訳でもありません。
制作スピードもご依頼をする際の判断基準と考えます。
特にCMソング、サウンドロゴ・ジングルのような映像制作との絡みがあったり、クライアント様のチェックもあるものに関しては音楽制作段階だけで時間を費やせません。
映像も作らなければいけませんし、急ぎの案件もあることでしょう。
ちょっとの直しにも数日かかるようでは全体のスケジュールに大きく影響します。
制作スピードも重視する点の一つです。
⑤映像を付けやすい音楽にできるかどうか
判断基準としては少しわかりにくいポイントかもしれません。
CMソングという”音楽をただ作る”だけでは映像がのぺーっと平凡になる可能性もあります。
展開もなく、起承転結もない。印象が薄いというイメージでしょうか。
「映像を付けるならここでこうくるだろうな!」と想定している音楽の方が完成に差が出るはずです。
”CMらしさ”が出ている映像になるんです。
サンプル音楽が載っている場合はこの視点を持ってチェックしてみるのも大切だと考えます。
⑥発表会になっていないかどうか
これは音楽に限らずクリエイター全般に言える大事なことです。
アーティストとしての活動ならいいですが、ご依頼を頂いて作り上げるお仕事は《発表会になってはいけない》という点も大切です。
この技術を見せつけよう!このすごい表現を駆使しよう!とクリエイター側のエゴで自分の表現したいものが全面に出るのは良くないということです。
CMソングに派手派手な音色や高度な音楽理論は不要なケースも多いです。
聞いた人がどう思うか、言いたいことはきちんと詰め込めてるか、覚えやすくなっているかなど、相手側の視点で作曲できるかが重要。
これも判断は難しい視点ではありますが、およそ音楽を聴くと「あぁこのことか」と伝わる部分かと思います。
最後に
以上がCMソング制作を依頼する際に着目するべき点です。
⑤と⑥は少し判断しにくいですが、結局はこういう考えを持った制作会社様・クリエイター様の作品はやはりいいものに感じます。
音楽が作れるからと言ってCMソングが作れるわけではない。
形にはできるだろうけど、CMらしいツボは欠けている。
《餅は餅屋》というのは音楽制作の中でも当てはまることだと感じています。
今回の記事内容をCMソング制作依頼の際の判断材料の一つとしてしていただけたらと思います。